機関誌 生涯活躍のまち 特集~人を知る、育てる~
今号は、福岡県小竹町長の井上頼子さんへのインタビューが特集記事でした。井上町長と生涯活躍のまち推進協議会は、井上町長が、町長に就任される以前のNPO法人の理事の時代から親交があったようです。
インタビューの時期は町長に就任されてから約7か月が経ったころだったようです。井上さんが町長としてまず力を入れたいと感じていることが職員の育成だそうです。
それまでは、新卒職員が初日から内線電話が置かれている机の前に座り、窓口に一番近いところのため、町民の対応をしなければなりませんでした。
実践をしながら周りから教わり、学んでいくというOJTのスタイルだったようです。井上さんから見て、それでは新卒職員の働き方が上司の影響を受けてしまい、各々にばらつきが生じてしまうと感じたようです。
若い職員が仕事のやり方を教えてもらっていないのに、上司や町民に怒られるのは「なし」にしなければならないと思われ、早速窓口・電話の対応マニュアルを作成したようです。
公務員の仕事というと「書類を扱う」というイメージを抱く方も多いと思いますが、本質は「コミュニケーションワーカー」と町長は言われます。
『結婚届を出しにくる2人が窓口に来たら、「よかったですねえ、おめでとうございます」と言えるか、言えないか。「どこで知り合ったんですか?」までは聞けないでしょうが(笑)そのくらいのテンションがあっていい』
水道料金を払いに来た人に対しても、職員が「払って当たり前」という態度をとるよりも、支払いは義務とはいえ、いろいろな事情があって払えなかった。そして今役場に来てくれている。「わざわざ来てくれてありがとうございます」という気持ちで迎え、払えなかった理由に耳を傾けるだけでも、相手に与える印象は全然違うということでした。
職員の育成に力を入れることで、よりワクワクする役場をつくり、町の空気もワクワクする方向へ変えていこうと目指されています。公務員はコミュニケーションワーカーであるという理念を職員が共有することで、より町民がまちに愛着をもち役場とも協働するようになるのではないかと感じました。