喜入な日々

生涯活躍のまち セミナー~屋根のない長屋プロジェクト~

セミナーにおいては、CCAH(Continuing Care at Home)の実現を目指す(株)たぬきち商事による「屋根のない長屋」プロジェクトについての報告がありました。
こちらのブログをご覧になっていただいている方には、CCRC(Continuing Care Retirement Community)という言葉はなじみがあるかと思います。高齢者が健康な段階でサ高住等に入居し、終身で暮らすことができる生活共同体のことを意味します。

これに対し、たぬきち商事さんが目指されているCCACは、自宅で最期まで暮らしたいという思いに寄り添ったものです。
中学校区をひとつのエリアに見立て、地域資源を活用・充実させることで最期まで安心して自宅で過ごせる仕組みづくりに取り組んでいます。
具体的には、「長屋の住人」になられた方には、最低週1回、エリア長のもと、「地域のたぬきち」と呼ばれるスタッフが「御用聞き」に伺い20分ほど滞在して、お困りごとを聞き、買い物や病院への付き添いやペットの世話、ゴミ出しやスマホの使い方のサポートなどを行っています。それ以外にも医療、介護、行政、その他後見や死後事務にいたるまで、家族や友人など周囲の人には頼みづらい、介護保険以外の専門的なところにも寄り添って、方向性を決めたり、手続きを進めたりする際の手助けを行っているとのことです。

お話しいただいた、秋丸さんから現在の地域包括ケアシステムでは、高齢になそれまでできていたことができなくなったときのサポートは、ケアマネージャーやヘルパーが役割を超えて対応したり、家族がサポートしたり、民生委員やボランティア頼みになっているところがあり、今後高齢者はいま以上に増えるためそれらは限界になってくるのではとお話がありました。
たぬきち商事さんがされている取り組みは今後ますます必要となってくると感じます。
また現在、高齢者の身の回りのことを介護保険外のサービスとして実施する取り組みは多く行われていますが、地域を単位として取り組み、地域の安心つくりを目指している点がユニークであると感じました。またペットの飼育のお手伝い等が得意分野である点も特徴です。

このようなサービスが広まることで、一人暮らしでできることが少なくなった高齢の方にとって施設に入所するという選択肢だけでなく、たぬきち商事のサポートがあるなら自分の家に住み続けられたり不動産を借りられたりと住まいの選択肢が広がると感じました。
セミナーの後半では、社会福祉法人愛知たいようの杜の大須賀理事長と株式会社たぬきち取締役 神馬さまも加わり、鼎談が行われました。

その中で、地域に溶け込むためには積極的に上手く行っていないことや、困っていることを発信することが良いのではないかとお話がありました。
今後、施設等のハードをつくり、そこにサービスが付くという考え方だけでなく、たぬきち商事のように人にサービスがつくという考え方も重要になってくると思いました。

参加者も、病院や介護事業所などの医療・福祉関係、不動産業、建築業、コンサル業といった多種の民間企業、内閣官房の事務局をはじめ、自治体の職員さんなど行政の方、学生さんと幅広く、たぬきち商事さんの取り組みについて様々な質問があり活発なセミナーとなりました。

ニコニコタウンきいれグループ
(医療法人 参天会・社会福祉法人喜入会)
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